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1年 野宿生活者問題について

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 1年生の人権学習として、今回は「野宿生活者問題について」というテーマで野宿者ネットワーク代表の生田武志さんのお話を伺いました。ご存じの通り本校はあいりん地区と呼ばれる地域とJR環状線を挟んで比較的近くに立地しており、生徒はJR新今宮駅周辺だけでなく天王寺や日本橋、ミナミの繁華街ではよく野宿生活をしている人たちを見かけています。そうした中で少しでもこの問題について知ってもらい、現在の貧困問題について考える機会にするために実施しました。
 生田さんは同志社大学在学中から25年にわたってこの地域の日雇労働者・野宿者支援活動にかかわってこられた方です。夜回りをはじめとして永年の経験から野宿生活者の仕事や暮らし、そして思いについて現状やその背景とともにとてもわかりやすく解説してくださいました。特に野宿生活者への中高生による襲撃事件について詳しくお話しされ、その原因となっている大人も含めた野宿生活者への偏見・差別の解消を丁寧に訴えられました。
 その中で、襲撃する中高生について中学生が言った言葉を紹介されました。それは襲撃する中高生は家(ハウス)はあるが居場所(ホーム)がない人たちで、襲われる野宿生活者は家(ハウス)はないが、助け合って生きている仲間との居場所(ホーム)がある。襲う人が本当の意味での「ホーム」レスではないかというもので、とても印象的でした。
 

保健委員会の発表

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 第50回大阪府高等学校保健研究発表大会が大阪府医師会館で開催され、本校の保健委員会も取組みを発表しました。
 この大会は生徒の保健委員会が中心となって進めてきた保健活動や研究の成果を報告する大会で、府立学校の学校医、学校歯科医、学校薬剤師と生徒を指導している保健主事や養護教諭が会場を埋めています。本校を含めて12校が熱中症、校内外の清掃活動、環境保全、薬物乱用防止、感染症対策など各校の保健委員会が取り組んできた活動を発表しました。どの学校もプレゼンテーションソフトにうまくまとめあげているだけでなく、歌あり、踊りあり、寸劇ありとそれぞれ個性的な発表を繰り広げてくれてました。
 本校の発表は「あなたの 心 大丈夫ですか?」というテーマで「携帯依存症」「いじめ」「心因性腹痛」という切り口でそれぞれを短いドラマに撮影し、高校生のメンタルヘルスの問題を訴えました。とても考えさせられる内容でよくまとめられていました。
 他の高校の発表もすべてすばらしい内容で本校でも取り入れたいと思う活動がたくさんありました。またここまでご指導いただいた先生方のご尽力も並大抵ではないと感心しました。来年も楽しみな大会です。

今年の各クラブの目標

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 1月11日の全校集会で各クラブが披露した今年の目標の書き初めが生徒自治会室の前に飾られています。それぞれのクラブがめざすことが書かれていますが、中にはユニークな目標もあり、なかなか面白いです。女子バレーボール部の「協心戮力」(きょうしんりくりょく)なんてとても難しい言葉でよくしっているなあとびっくりします。ちなみに「協心戮力」とは全員の力を結集し、一致協力して物事を行うことという意味です。茶道部の「一座建立」(いちざこんりゅう)は一期一会と同じく茶道で使われる言葉ですが、その一座にいあわせた人たちが、お互いに相手を尊敬し、心を合わせ、心のなごんだすばらしい時間を共有しようという気持ちがあって、初めてその世界の楽しさや純粋さや高さを生み出すことができるという意味だそうです。ソフトテニス部の「自彊不息」(じきょうふそく、じきょうやまず)はまさに今宮高校の同窓会である自彊会の名称にもなっている言葉で「自分からすすんでつとめ励んで怠らない」(大辞泉)ことです。
 各クラブがそれぞれの目標を掲げて切磋琢磨する。とてもすばらしいことだと思います。そして成果は努力のあとについてきます。日々の活動を大切にしてください。

 3年生は最後の授業

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 3年生にとっては今宮高校で授業を受ける最後の週となりました。今週の後半と来週1月31日(月)は考査とホームルームです。受験真っ只中ではありますが、最後まで学校の授業もしっかりと取組んで欲しいと思います。
 言うまでもなく高校の授業は大学受験のためや何かの資格を取ったりするためだけのものではありません。授業では、一般的な座学はもちろんのこと、実験や実技で多くの知識や技能を得るることができますが、それだけではありません。それぞれの授業にはこれから生きていく上で大切なものがもっとたくさん込められています。その一つは、何よりも担当する教員と生徒や生徒同士の授業でのやり取りといったダイナミックで双方向・多方向な学習活動の中からしか得られない気づきに満ち溢れた「学び」の楽しさが得られるということです。それは生涯にわたって学び続けていく豊かな生き方へとつながっていきます。これは学校やクラスという集団が生み出す力でもあります。
 最後まで空間と時間を友人たちと共有する高校の授業という場が与えられていることに感謝し、大切にし、そして楽しんで欲しいと思います。

地理B 地域巡検(その3)

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安居神社を後にして、有栖山清水寺へ。寺伝によれば1640年に延海阿闍梨という僧侶が観音様のお告げを受けて京都清水寺そっくりの寺を作ったということです。境内には「玉手の滝」という大阪市内唯一の滝があり、これも京都清水寺の音羽の滝を模している。また「清水の舞台」というプレートの張られた高台からは浪速区が一望できます。
 ここから北へあがると夕陽丘。101段の石段の上に大江神社があります。狛虎には阪神タイガースのファンからメガホンやぬいぐるみや優勝祈願が飾られており、まさにタイガースの聖地のようです。そしてその隣に有名な「愛染堂」があります。正式名称は勝鬘院。金堂には良縁成就・夫婦和合の本尊として名高い愛染明王が祀られており、境内には飲むと愛が叶うといわれている「愛染めの霊水」があります。金堂の北側には豊臣秀吉が再建し、大阪市最古の木造建造物として国の重要文化財に指定されている多宝塔があります。
 これで今回の地域巡検は終了し、全員で帰校しました。今回は学校の東北方面へ出かけましたが、歩いていける範囲でもまだまだ多くの歴史的ポイントが周辺には山ほどあります。生徒たちもとても熱心で、特にこういう巡検に参加してくれる女子生徒がこれから「歴女」となってくれるのかなと楽しみです。また、こうした体験からより地理や歴史に興味を持って学習してくれるきっかけになってくれればと願います。これからも大切に続けていきたい取組みのひとつです。

今日の今宮高校(1/21土)

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 土曜日の今日は今宮高校の内外でいろいろと活動がありました。
 まず、センター試験を終えた3年生は教室に特設されたPCを使って自己採点結果をもとに志望校の合格可能性判定や合格可能性の高い大学を検索できるシステムを使いながら担任の先生と懇談を行っています。国公立大学の二次出願が月曜日から始まりますので、今日と明日の日曜日も懇談を続けます。
 午前中の多目的ホールは教養講座の「ウキウキ心も体もリフレッシュ・レッツ・ダンシング (Ⅳ)」が40名を超える参加者で開催されました。ここからダンスチームの結成が企画されているそうです。
 PTA活動も午前中は広報委員会が年3回発行の最後となる3月上旬発行予定の今高PTA新聞「いまみや」79号をLAN教室で開催しておられました。
 午後3時からは第4回PTA実行委員会を開催されました。学校からの報告とこの間の活動報告、次年度へ向けての申し送り、今後の予定、指名委員会、次年度からの体制等について話し合いが行われました。
 午後の多目的ホールでは大阪府高等学校芸術文化祭にむけて合同練習を行っていました。住吉、桃山学院、西成、咲洲、そして今宮の5校です。本番は2月6日(日)池田市民文化会館アゼリアホールです。お時間がございましたら是非お運びください。
 そして新世界ではダンス部がオフィシャルサポーターをつとめる「新世界&天王寺動物園百年祭」のイベントでストリートダンスを披露してくれました。(動画が本HPにすでにUPされています)
 もちろんグランドや体育館では他のクラブが一生懸命練習をしていましたし、学校見学に中学生と保護者もお見えになっていました。今日もとてもにぎやかな土曜日でした。

地理B 地域巡検(その2)

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 今宮戎神社を後にして、阪堺電車の恵美須駅へ。生徒はあまりこの路線のことは知らないようですが、この阪堺電車も今年で創業100年目を迎えます。そこから堺筋を渡って新世界商店街の中に入っていくと眼前にどーんと通天閣がそびえたっています。ここでは「通天閣トリビア」ということで生徒が説明してくれました。1912年に初代の通天閣が完成。下がパリの凱旋門、上がエッフェル塔を模して作られていましたが、戦争中の1943年2月に金属類回収令によって解体されました。現在の通天閣は2代目で1956年に建てられたものですが、てっぺんのまるいネオンが次の日の天気予報になっていることはあまり知られていないようです。白が晴れ、オレンジが曇り、青が雨でこの3つを組み合わせで翌日の天気を知らせてくれています。
 そして逢坂をあがって上町台地へ。まず、真田幸村が討ち死にされたことでも有名な安居神社。境内には「真田幸村戦士跡碑」が建てられており、命日の5月7日には毎年真田幸村祭りがおこなわれています。また、この「安居」という名は菅原道真公が九州大宰府に流された時、難波津の近くのここで風待ちのために休息されたのでこの名前がついたという「伝承があり、安居天満宮とも言われています。
 またまた長くなってしまいました。続きは後日(その3)でご紹介します。

地理B 地域巡検(その1)

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 今日の5,6時間目の地理Bでは地域巡検で校外に出かけました。授業選択者の2年生21名と担当の吉田先生、そして私も飛び入り参加させていただきました。この巡検は今年で7回目の取り組みです。事前にコースのポイントについて班ごとに下調べをしてレジュメをつくり、巡検のしおりを作成。そのしおりを全員が持って出発し、ポイントごとに担当の班が説明をしてくれます。たまたま居合わせた一般の方も生徒の説明を聞いてくれていました。
 今回のコースのポイントは学校→「今宮戎神社と今宮えびす祭り」→「新世界と通天閣」→「安居神社と真田幸村」→「清水寺と玉出の滝」→「大江神社と愛染堂」→学校で、ぐるっと回って約2時間のコースです。
 まず、学校を出発して木津中学校の前を通り、南海電鉄の今宮戎駅へ。昭和13年には高架化されたとても古くて由緒と趣のある駅です。そこからそばの今宮戎神社へ。ただし入口は国道25号線沿いにある鳥居から入ります。今では商売の神様として有名ですがもともとは漁業の神様ということで、神社の寄付に水産業関係の会社の名前が多いことを確認。続きは(その2)へ

1年スクーリング研究班別発表会

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 本日5時間目の多目的ホールは、1年生のスクーリング(今年6月に実施する北海道研修旅行)に関する班別研究発表会でした。8つの班がそれぞれテーマを決めて工夫を凝らしての発表です。摩周湖の伝説や屈斜路湖のクッシーの話、アイヌ文化や映画ドラマのロケ地など切り口も内容も様々でどの発表も良くできていました。また、発表を聞いている他の生徒の声に耳を傾けると「結構まとまってるな」とか「わかりやすい説明やな」とか発表の内容だけではなくプレゼンテーションの方法や手法についても感想を言い合っていました。4月入学から約8カ月経ちましたが、15期生もたくさんの発表やプレゼンテーションを経験する中で、単なる観客としてではなく、しっかりとプレゼンテーションを批評・評価する姿勢ができてきたなあと実感しました。生徒たちはテーマについてグループで研究し、それぞれの意見をまとめて、内容を吟味して、発表するという学習の流れの中で、コミュニケーション力や調整力・企画力、そして発信力を身につけていきます。これも実践的でとても学習効果の大きい体験的学習であると思います。

児童養護施設について

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 巷では「タイガーマスク」が話題になっています。「伊達直人」の名前で各地の児童養護施設にランドセルなどの寄付がよせられているとのこと。以前、私は大阪府内の児童養護施設の数ヶ所を訪問し、職員の方々や子どもたちのお話を聞かせていただいたことがあります。大阪府には35の児童擁護施設がありますが、それらの施設の規模も建物内部の状況もまちまちです。しかし共通点は入所している子どもたちは親のいない子ではなく、親はいるが一緒に住めない状況の子どもたちが大半であるという点です。特に昨今は虐待を受けて入所してくるケースが半数以上です。昨日は住之江区、今日は高知市の虐待事件が報道されていました。虐待を受けた子どものことを考えると本当に気持ちが重く、悲しくなってしまいます。そして、そうした体も心も傷つけられた子どもが児童養護施設で一所懸命生活しています。そんな中で、施設の方の一番の心配は子どもたちの進路だということでした。18歳で措置が終了するため、施設を出ることになりますから、就職しても自分の住むところの確保はもちろんのこと生活費もすべて自分でまかなわなければなりませんので、住み込みのできる就職先を探すことが多いということです。しかし、経済不況の中でそう簡単には見つかりません。大学等への進学はとても高く厚いさまざまな壁が立ちふさがっている状況です。児童養護施設で暮らす子どもたちは本当に厳しい状況におかれています。
 「タイガーマスク」の活躍で今、児童養護施設が多くの人々の関心を集めています。府立高校にも児童養護施設から通っている生徒がたくさんいます。これを単なるブームで終わせることなく、継続的な支援につなげていかなければならないと思います。