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鹿児島より(二日目です)

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 第63回全国人権・同和教育研究大会鹿児島大会が今日と明日開催されます。全国から人権教育に取り組む教員を中心に1万人近くの人が参加し、鹿児島アリーナをメイン会場として鹿児島市内の小中高等学校20か所で分科会(分散会)が行われます。また、今回は奄美大島にある奄美市でも分科会があります。全部で120本の実践報告が行われ、熱心な討議が二日間にわたって繰り広げられます。開会の全体会では鹿児島県知事、鹿児島市長のご挨拶もあり、まさに県をあげて大会を歓迎しているという感じです。
 さて、私は特別分科会で「震災と差別」という講演を聴きました。講師は学習院大学教授で福島県立博物館長の赤坂憲雄先生です。先生は東日本大震災復興構想委員会の委員も勤めておられます。お話の中で特に印象に残ったのは犠牲者の3分の2以上が65歳以上の高齢者であり、弱者に最も強く被害が現れたということと、その中でも被害が少なかったのはコミュニティがしっかりしている地域であったということです。しかし現在被災地ではそのコミュニティがどんどん失われつつありますし、私たちが暮らす都市部ではコミュニティがほとんどない状態のところがほとんどです。人と人のつながり、地域とのつながりの大切さを改めて実感しました。また、津波被害の地域は復興に向けてビジョンを描きつつあるが、原発被害の地域は展望が見えない状況にあります。そこで暮らしていた人々のこれからの生活をどうするかは大きな課題です。大震災から8ヶ月たちましたが、今東北地方が直面している問題は日本社会の根幹に関わる問題であるという認識で大震災からの復興を考えていかなければならないと思いました。