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人権教育のセミナーに参加しました。

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 今日は朝から大阪府立学校人権教育研究会の夏季セミナーに参加しました。夏季休業中は教育関係の様々な研究会のセミナーや講座が開催され、教員にとっては研修のシーズンです。
 今日のセミナーでは午前中は『「子どもを支えるとは」何か-教育の現場に求められること-』というテーマで現在大阪市立弘済のぞみ園園長で、40年にわたり児童自立支援施設で実践を積まれてきた下川隆士さんのご講演を聴かせていただきました。虐待を始めさまざまな厳しい背景をもつ子供たちによりそい、その自立に向けた取組から得られた大変貴重なお話を聞かせていただきました。「他者からの愛が必要な者ほど、愛されないような言動をしている。他者から良い評価が必要な者ほど、評価されないような言動をしている。他者から関わりが必要な者ほど、避けられてしまうような言動をしている。他者から信頼が必要な者ほど、人への根深い不信を持っている。」という子どもをみるやさしいまなざしに感銘を受けました。最後に「自立していくためには、一人で生きていける強さをつけさせることではなく、人と交われる力をつけてくことである。」という言葉がとても印象的でした。
 午後からは近畿大学人権問題研究所の奥田均教授より昨年の10月1日に施行された「大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例」を中心に府民の人権意識についてお話をいただきました。この条例は「土地調査等」を行う者の遵守事項について(1)調査又は報告の対象となる土地及びその周辺の地域に同和地区があるかないかについて調査し、又は報告しないこと。(2)同和地区の所在地の一覧表等の提供及び特定の場所又は地域が同和地区にあることを教示しないこと。を柱としており、未だに根深い同和地区の土地に対する差別を防止するための条例です。大変丁寧で分かりやすく現在の部落差別に関する府民の意識状況やその背景、そして克服の展望についてく説明していただきました。人が人を排除することの愚かさ、恐ろしさと、教育の責務の重大さを再認識させていただきました。ありがとうございました。。