「情報」の授業を中心に使用されているLAN教室のコンピューターがすべて新しい機種に入れ替わります。現在使用のものは6年前の機種ですが、性能が日進月歩のこの世界ではもう「時代遅れ」のようです。最新のスペックの機種に入れ替わり、期末考査明けには授業で使用できる予定です。あわせてLNA教室には新しいプロジェクターも配備され、生徒の皆さんの椅子も新しくなります。楽しみにしておいてください。
さて、大阪府高等学校社会科教育研究会主催の日本史講演会に参加しました。講師は大阪大学文学部研究科の河合康教授で、テーマは「源平合戦の虚像を剥ぐ-鎌倉幕府の成立を問い直す-」です。「いい国つくろう鎌倉幕府」と覚えたように鎌倉幕府の成立は1192年と私たちは覚えましたが、実際にはいくつかの諸説があります。源頼朝が征夷大将軍を任官した1192年説や守護・地頭補任権が付与された1185年説など、これまでは頼朝が朝廷から何らかの権限を委譲された時点に注目したものですが、教授は治承・寿永内乱期(一般には源平合戦と呼ばれています。)の戦争に注目して捉えなおしておられます。とてもダイナミックで興味深い内容です。(詳しくは講談社学術文庫「源平合戦の虚像を剥ぐ-治承・寿永内乱期の研究-」(河合康著)をご参照ください。教科書の見解と学会の動向とはずれている場合があるので、教員は常に最新の学術研究にも注目しておく必要があります。
そして、歴史を考えるときに最も大切なことは、常に多方面から歴史を俯瞰するという姿勢です。例えばアメリカ大陸において白人にとっては「開拓」であっても、先住民族にとっては「侵略」であったように、歴史は一方の立場から考えたり、主張したりするのではなく、常にたくさんの観点から捉えることが大切であり、この姿勢は歴史だけではなく、あらゆる状況で必要なことです。それにしても歴史って奥が深くて、面白いですね。