集中講座「考古学入門」の今回最大のイベントである大阪府文化財センター理事長の水野正好先生(高5期)の講演会に参加させていただきました。水野先生は知る人ぞ知る考古学会の重鎮で、東京の講演会では1500席を満席にする方です。それが今回は7名の生徒のためにお話をしていただけることになり、あまりの贅沢と恵まれた機会に生徒より担当教員の方が大興奮状態です。講演の題名は「今宮高校前後の私と考古学」という特別の題で先生の高校時代のエピソードからいかに考古学に魅せられていかれたかという貴重なお話でした。同席された弥生文化博物館の学芸員の方も始めて聞く話が多くとても貴重なお話と驚いておられました。また、水野先生の熱意あふれる中にもユーモアたっぷりのお話しぶりにはぐいぐいと引き込まれていきます。予定の時間を越えて2時間半にわたり話を聞かせていただき、生徒もその迫力と魅力に圧倒されていました。先生と折口信夫先生、万葉集との出会い、貴重な書籍を古本屋で見つけ、それを買うために40日間にわたって昼食を抜いてお金をためて購入した話、コピーのない時代禁帯出の京都大学考古学研究報告16巻をすべて図書館でノートに写した話など聞けば聞くほど先生の今宮高校時代からの考古学に対する傾倒と行動力、そして今も変わらない研究への熱意にはそのすごさに言葉を失いました。生徒から「将来考古学をするためにはどこの大学がいいですか?」といった質問には「大学はどこでもいい。学問で大切なのは自分の情熱を失わないことだ」とお答えになりました。もうこの「校長たより」では書きつくせない内容で、うまくお伝えできないのが申し訳ないです。是非、すべての生徒に聞かせてあげたいお話なのでチャンスがあればなんとか今宮高校で講演会を開催できればと思います。水野先生、すばらしいお話を本当にありがとうございました。