1年生の人権学習として、今回は「野宿生活者問題について」というテーマで野宿者ネットワーク代表の生田武志さんのお話を伺いました。ご存じの通り本校はあいりん地区と呼ばれる地域とJR環状線を挟んで比較的近くに立地しており、生徒はJR新今宮駅周辺だけでなく天王寺や日本橋、ミナミの繁華街ではよく野宿生活をしている人たちを見かけています。そうした中で少しでもこの問題について知ってもらい、現在の貧困問題について考える機会にするために実施しました。
生田さんは同志社大学在学中から25年にわたってこの地域の日雇労働者・野宿者支援活動にかかわってこられた方です。夜回りをはじめとして永年の経験から野宿生活者の仕事や暮らし、そして思いについて現状やその背景とともにとてもわかりやすく解説してくださいました。特に野宿生活者への中高生による襲撃事件について詳しくお話しされ、その原因となっている大人も含めた野宿生活者への偏見・差別の解消を丁寧に訴えられました。
その中で、襲撃する中高生について中学生が言った言葉を紹介されました。それは襲撃する中高生は家(ハウス)はあるが居場所(ホーム)がない人たちで、襲われる野宿生活者は家(ハウス)はないが、助け合って生きている仲間との居場所(ホーム)がある。襲う人が本当の意味での「ホーム」レスではないかというもので、とても印象的でした。