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「無言館」に行ってきました。

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 念願だった長野県上田市にある戦没画学生慰霊美術館「無言館」を訪れることができました。この美術館の存在を知ったのは一昨年の秋でしたが、その後、「自彊会報」(同窓会報)が旧制今宮中学校出身で戦没画学生の中村良明さん、今宮高校の卒業生で「無言館」の画集を発行している出版社「アリス館」の小林佑社長、「無言館」の窪島誠一郎館長、そして現在の今宮高校を結んでくれました。縁というのは本当に不思議なものです。
 「無言館」は上田市西部の塩田平というところにあります。山を少しのぼったところにあり、そこからは塩田平ののどかな風景を一望することができます。このあたりは、「信州の鎌倉」と呼ばれており、無言館の他にも信濃デッサン館やいくつかの画廊、そして寺社が多くある地域です。
 「無言館」はとても静かで、飾り気のない落ち着いた美術館です。戦没画学生たちの作品とプロフィール、そして遺族から贈られた遺品や書簡類、写真等も展示されています。プロフィールの最後には戦死、あるいは戦病死した場所と年月日、そして年齢が書かれています。ほとんどの人が20歳代で、遠い戦地で亡くなられています。涙なくして見ることのできない美術館です。今、こうして帰りの新幹線の中で校長だよりを書いていても目頭が熱くなってきます。
 そして、ようやく中村良明さんの作品とも出会いました。まるでご本人とお会いできたような感じがして、とても感動しました。
 すべての作品を見た後に、窪島誠一郎館長とお会いすることができました。とても優しそうな方で、突然の訪問にもかかわらず、笑顔で迎えてくださいました。私も今年3月に「無言館」の画集や著書を今宮高校に贈っていただいたことに、直接会ってお礼を言うことができて、とても嬉しかったです。
 今日もどこかの高校生たちが見学に来ていましたが、是非大阪の高校生にも来て欲しいとおっしゃっておられました。私も機会があればもう一度訪れてみたいと思っていますし、高校生や多くの人にも是非行って欲しい美術館です。窪島館長、本当にありがとうございました。