新しい本が届けられました。本のタイトルは『生徒と学ぶ考古学~今宮高校総合学科での授業~』で3年前に本校を定年退職された西谷義昭先生が著され、本校の特色ある科目の一つである夏季集中講座「考古学入門」の実践を中心にまとめられています。平成13年から現在に至るまで開講されている「考古学入門」は夏季休業期間中に実際の遺跡発掘現場に出かけて、そこで炎天下ではありますが、5日間にわたって汗を流しながら調査実習を行うという実にユニークな講座です。
今回発行された御本の中には、「考古学入門」の誕生の経緯や実践内容、受講した生徒のレポートや卒業後のアンケート、そして同時に開講されていた自由選択科目「日本古代史」(現在は開講されていません)の解説・実践などが収められています。
これらの実践はユニークではありますが実に高度な内容で今宮総合学科らしい科目です。そして、この講座から今月末には大阪府府立弥生文化博物館と本校演劇部のコラボレーショションによる博学連携による「楽しく」「わかりやすい」展示解説として弥生人寸劇解説の企画が実施されます。(詳細は後日御案内申し上げます。)
また、本校卒業生で前奈良大学学長・前大阪府文化財センター理事長で現在、元興寺文化財研究所長の水野正好先生が巻頭に寄稿されています。その最後に西谷先生の活動と今高生の姿を通して、「母校が入試一辺倒ではなく慈愛と肌触れ合う師弟の関係を築いていることは私にとって無上の喜び、感謝の極みである。」と書かれておられます。
これからも夏季集中講座「考古学入門」で体現されているような教育実践を大切にしていきたいと思います。