全国人権・同和教育研究大会の二日目。今日はハンセン病問題の解決に取り組んでおられるお二人の方のお話を伺いました。鹿児島にあるNPO法人「ハンセン病問題の全面解決を目指して共に歩む会」代表の松下徳二さんと『生まれてはならない子として』(毎日新聞社)を著された宮里良子さんです。
ハンセン病問題とは松下さんは【1907年以来89年間、国が「ハンセン病患者を療養所に強制収用し、一生閉じ込め。絶滅させようとした」ために生じた全ての問題】と考えておられます。そして、ハンセン病に対する無知や無関心は患者のみならずその家族の方々にも取り返しのつかない深刻な被害を生みました。そして、この問題は決して過去の問題ではなく、二度と同じようなことが起こらないようにするためにもしっかりと伝えていかなければならないということでした。
宮里良子さんはご両親がハンセン病患者であり、ハンセン病患者家族の苦しみと闘いの記録として『生まれてはならない子として』という手記を出版されました。隔離収容された両親の過酷な人生や国の政策や社会の偏見のなかで自らを隠して生きた苦悩の日々。そうした中でご自身が人間に尊厳を取り戻す闘いを丁寧に綴られたものです。
お二人のお話を聴き、知らないこと、知ろうとしないこと、無関心であることが当事者やその家族にとってとても残酷なことになってしまうということを改めて認識させていただきました。何事にも関心を持ち、自分にとってつらいことでも逃げることなく、まずはしっかりと学び、知っていこうとする態度を持ち続けたいと思いますし、生との皆さんにも持ってほしいと願います。