校長室に一枚の卒業証書が飾られています。実は本校の前身である今宮中学校の第壱号三浦和一氏の卒業証書です。日付は明治44年(1911年)3月21日、今からちょうど100年前に発行されたものです。三浦氏は本校卒業後京都帝国大学法学部を卒業され、外務省に入省。イギリス、ソ連、満州、ドイツ、ユーゴに勤務され、戦後は極東軍事裁判所副弁護人を務めた後、外務省研修書、アフガニスタン及びペルー大使を務められました。卒業証書は三浦氏が亡くなられた後、平成5年に奥様のはる子様から「ゆかりの品々を、主人の心の故郷である御校で、お役に立てて頂くのが故人の遺志を最も生かすのでは」というお手紙と金一封を同封して本校に寄贈いただいたものです。当時、このお金で図書館にまとまった蔵書を購入したということですが、その後もはる子様は何度も多額の寄付を本校にしてくださいました。多目的ホールにあるグランドピアノもその一つですし、ブラスバンド部の楽器購入のために200万円という多額の寄付もいただいています。
1枚の卒業証書に向こうに、多くの歴史と多くの支えがあって今の学校があるということを改めて感じるとともに、三浦和一・はる子夫妻をはじめ多くの諸先輩方に深く感謝いたします。(写真は『今宮史記-百年の歩み』より)