全国人権教育研究会の課題別研究会で和歌山県那智勝浦町に来ています。今日は午後から那智勝浦町役場の方の案内による、2年前の2011年(平成23年)9月に発生した台風12号による紀伊半島大水害の被災地のフィールドワークに参加して来ました。災害発生からほぼ2年立ちますが、復興作業が懸命に続けられています。
那智の大滝で有名な那智川流域で発生した土石流が被害の中心ですが、復興現場で目にした岩の山には驚愕しました。こんなに大きな岩が土砂とともにものすごい勢いで集落に押し寄せて来る恐怖は想像をはるかに超えます。土石流は民家を一呑みにし、一番被害の大きかった地区では28名の方が亡くなられ、未だに1名の方が行方不明です。被災地には真新しい記念費と慰霊碑が建立されており、そこには犠牲になられた方々の名前が刻まれていました。案内していただいた役場の方もこの地区にお住まいで、刻まれた名前の方々についてお話くださいました。中には家族5人全員の名前が刻まれた家もあり、犠牲者の数ではなく、一つ一つの大切な命だったという、当たり前のことですが、改めて失ったものの大きさと深い悲しみが湧き上がってきました。
今年も各地でたくさんの災害が起こっています。役場の方が言われた「絶対に災害は人ごとではありません。この地区の人も誰一人として自分が被災者になるとは思っていませんでした。災害は自分にも起こるという自覚を持って欲しい。」という言葉が心に響きました。